FX税金

201211日から、国内業者を利用した個人口座でのFX取引については、一律20%で税率が一本化されました(くりっく365を含む)。

ただ、条件によってはそれ以外になるケースも多く、毎月の無料相談会やお電話でお話をお伺いしていますと、間違った認識をされている方もいらっしゃり、そのまま確定申告をしてしまった場合、後で税務署から指摘をされ、余計なペナルティーが発生する場合もありますので、間違えることがないよう、今回は「FXにおける税金の種類や計算方法」について。またそれぞれのメリット、また確定申告の際の注意点等について解説致します。

 

個人取引における FXの税金の種類について

確定申告をする際、その税金がどういう区分のものなのかを予め知っておく必要がありますが、FXの税金の種類としては、201211日から、FXの所得は「雑所得」の中でも「申告分離課税」という他の所得とは切り離して課税されるようになりました。

それまでは一般のFX(いわゆる店頭FX)については、「総合課税」といい、ビジネスでの所得やお給料と合算した所得に対して、15%~50の税金が課されていましたが、「店頭デリバティブ取引に係る税制改正」により、店頭FXも、くりっく365などの取引所取引と同じく、他の所得とは合算せずに、FXの所得に対して一律20%(所得税15%、住民税5%)の税金が課される申告分離課税となりました。

但し、取引されている業者等によってはそれらが変わってきますので以下に説明致します。

現在は、総合課税の最高税率は55%となっています。
復興特別所得税は含まない税率です。

国内FX業者の場合……個人の税金の計算方法

前述の通り、現在は店頭取引(一般のFX)も取引所取引(くりっく365)も、課税の方法は「申告分離課税」に統一されています。

そのため、国内業者を使った個人のFXの利益に対しては、利益がいくらになっても一律20%(復興特別所得税を含めると20.315%)の税金が課されます。

また、「申告分離課税」となったことで、損失が出た場合には、その損失を3年間繰り越すことが可能です。

ただし、損失を繰り越すためにはその損失を申告する必要がありますそれについては、以下にまとめてありますので、併せてご確認下さい。

関連記事>>>「税理士が教えるFXの確定申告で損失繰越しする際の注意点とは?」

海外FX業者を使った場合は税率が違う?

以前は、海外のFX業者を利用した場合の課税については、条文上、明確な記載がされていませんでした。

そのため、FXの課税について定めた

「租税特別措置法第41条の14先物取引に係る雑所得等の課税の特例」

という条文や、関係する金融証券取引法、国税庁の見解などを総合的に考慮して、金融庁に未登録の海外業者については、総合課税(他の所得と合算して最大55%の税率)として申告するのが最もリスクは少ないのではないかと考えられていました。

しかし、平成28年の税制改正で申告分離課税の対象となる取引について定めた「租税特別措置法第41条の14」に、以下の文言が追加され、金融庁に未登録の海外FX業者については「総合課税」となることが明文化されました。

金融商品取引法第2条第22項第1号から第4号までに掲げる取引で同項に規定する店頭デリバティブ取引に該当するもの(第三十七条の十二の二第二項第一号に規定する金融商品取引業者又は登録金融機関を相手方として行うものに限る。)をいう(一部抜粋)

つまり、金融庁に未登録の海外FX業者は「申告分離課税」の対象とならず、それらを利用したFXの利益や損失については具体的に

  • 他の総合課税の所得と合算し、最大55%の税金がかかる。
  • 総合課税の所得でも、雑所得以外の所得とは損失を相殺することはできない。
  • 国内の証券会社を利用したFXの利益や損失と相殺はできない。
  • 損失を繰り越すことはできない。

ということになります。以下が総合課税の「所得税額速算表」になります。

所得税額速算表

関連記事>>>「海外FX業者の税金はいくらかかるの?間違えたら税務署が来た!」

法人で取引した場合のFXの税金について

ここまでは個人取引でのFXの税金について解説してきましたが、他にもFXの税金の種類やメリット・デメリットを知るために、法人名義で取引した場合についても見ておきましょう。

法人の税金には、個人の税金と違い「総合課税」や「分離課税」といった区別がありません。

そのため、FXの国内業者と海外業者を区別する必要はなく、すべてのFX取引の利益に対して法人税等の実効税率である約21%~35%の税金がかかります。

法人税実行税率表

ここで気を付けないといけないのは、よく税率だけを比較して、法人の方が税金が高くなると勘違いされている方が非常に多いですが、正確には、税金は「利益」にかかるものではなく、そこから経費等を差し引いたり、また節税対策を行った後の「所得」に対してかかるものです。

なので、きちんとしたFXの節税対策を行う事が可能な場合は、個人よりも節税対策が可能な法人の方が、納める税金自体は個人よりも少なくなるケースも多々あります。

【関連記事】
・「税率20%だけで判断すると損をする?FXの正しい税金対策法とは?」
・「知らないと危ない?FX法人化のメリットとデメリットを専門家が解説」

また損失が出た場合には、法人だと9年間繰り越すことが可能です。

ただし、個人の場合、損失であれば税金はかかりませんが、法人では利益がマイナスの場合でも、「住民税の均等割」という年間約7万円の税金がかかってきます。

FXの税金を計算をする時に注意すべき点とは?

実際に確定申告をする際に、「いつからいつまでの期間の所得を申告すれば良いの?」という質問をよく頂きますが、これは個人での取引と、法人取引とでは異なります。

個人口座のFXで申告すべき期間は?

個人口座で取引をしている場合には、その年の11日から1231日の間に行った取引の内、決済したものの金額を合計して税金を計算する必要があります。

つまり決済さえしなければ、どんなにプラスのポジションを保有していてもそれに対して税金がかかりませんし、逆にマイナスのポジションを保有していても、それを損失として計上することはできません。

これは、ポジションの決済益や決済損だけでなく、スワップ金利についても同様です。

ただし、スワップ金利についてはFX業者会社により、大きく分けて

・ポジション決済時にスワップ金利が確定される業者

・ポジションを決済していなくてもロールオーバー時にスワップ金利が自動的に確定される業者

2つのパターンがあるため注意が必要です。

(厳密には必要に応じてスワップ金利を受け取ることができる口座も存在しますが、まずは原則的なこの2つで説明します。)

ポジション決済時にスワップ金利が確定されるパターンであれば、ポジションの決済時に決済益と一緒にスワップ金利も利益としてカウントすることになります。

これに対し、ポジションを決済していなくてもスワップ金利がロールオーバー時に、自動的に確定される業者であれば、ポジションを決済していなくても、スワップ金利については利益が確定していますので、利益としてカウントしなければなりません(すなわち課税の対象となります)。

法人口座で申告すべき期間は?

法人口座で取引をしている場合には、法人の事業年度に行った取引の内、決済をして利益や損失が確定しているものに加え、期末の時点で保有している未決済のポジションについても、期末のレートで時価評価を行い、その期の利益や損失として計上しなければなりません。

つまり、プラスのポジションを保有している場合には、決済前の含み益だったとしても、それを利益として計上しなければなりませんし、含み損を保有している場合には、損失として計上し、期中の利益と相殺させることができます。

これについては、トレード手法等によって使い分けておられるトレーダーさんも、弊社には多くおられますので、詳しくは以下の関連記事も併せてご確認下さい。

関連記事>>>「FXの税金を正しく確定申告する方法とは?」

FXの利益や損失を相殺できる他の投資やビジネスとは?

FXの確定申告について考えていると、それだけになってしまいがちですが、同じ区分の税金のものであれば、利益や損失を相殺させることが可能ですので、万が一、どれかで損失が出た場合でも、税額を減らすことが可能です。

国内FX業者を使った場合

国内のFX業者で個人取引をしている場合は、同じ「分離課税」となる他の投資と損益通算ができる、つまり、利益や損失を相殺させることができます。具体的には

  • 日経平均先物
  • 日経225mini
  • 商品先物取引
  • CFD
  • オプション取引

などが「分離課税」となり利益や損失を相殺させることが可能です。

ただし、株式投資に関しては、同じ分離課税でも「譲渡所得」という所得の区分となり、FXが該当する「雑所得」とは異なるため、利益や損失を相殺させることはできません。

海外FX業者を使った場合

個人口座で取引をしていて海外業者を利用している場合には、他の「総合課税」の「雑所得」と利益や損失を相殺させることが可能です。

具体的には、アフィリエイト報酬やせどりなどの利益や損失が該当しますが、注意すべきポイントとして、これらを事業として行っている場合(事業的規模でこれらの所得が事業所得に該当する場合)には、事業所得の損失とFXの利益を相殺させることはできますが、事業所得の利益とFXの損失を相殺させることはできませんので注意が必要です(2017.3.22)。

尚、法人口座で取引をしている場合、法人には個人のように○○所得といった所得の区分がないため、同一法人で行っている投資やビジネス全ての利益と損失を相殺させることが可能になります。

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