暗号資産の贈与と相続

毎月行っている弊社の無料相談会(ZoomやSkypeなどリモートでも対応しています)や、日々のメール相談でも、暗号資産(仮想通貨)についての質問やお問い合わせが非常に多く寄せられています。

その内容を伺っていますと、FX等の他の投資と比べても、正しく申告されている方が比較的少ない印象なのですが、実は税務署もそのことは把握しており、むしろ暗号資産の無申告に目を光らせている為、そこから税務調査に入られる可能性が非常に高くなっていると言えるでしょう。

そんな中、先日寄せられたご相談で「暗号資産を贈与された」というお話がありました。

今回は意図して贈与されたと方のお話でしたが、実はこの「贈与」や「相続」はきちんと把握しておかないと、思わぬ損を招きかねないものであるのと、また以前も当ブログで少しお伝えしましたけれども、本人が意図せず気付かぬ内に「贈与」を行っている可能性もあり、もちろんそれを申告していないと、脱税や無申告でペナルティーを課される可能性があります(後にご紹介します)。

今回は、暗号資産(仮想通貨)を贈与や相続した場合、税金はどうなるのか?どういったポイントに気を付けておくべきなのかについて解説していきます。

 

そもそも贈与税とは?

そもそも贈与税とはどういったものかについてですが、一言で言うと、個人から財産をもらったときにかかる税金です。

そして基本は贈与された側が税金を納めることとなります。

(※贈与税ではなく相続税や所得税になるケースもありますが、今回のお話には関係がないので説明は割愛致します)

暗号資産のアービトラージや他人名義を使うことで贈与税がかかる恐れが?

これは以前にご紹介したケースですが、たまにあるご相談で、

「会社にバレたくないので、妻名義の口座で取引しているのですが……」

という方や、

「アービトラージで複数の口座が必要になるので、他の方の口座を借りる契約をして……」

とおっしゃる方がおられます。

アービトラージ自体の是非は今回は置いておくとして、税務上の観点から見ても、非常にリスクが高まる可能性がありますので、それらを考えておられる方は、事前に知っておくべきでしょう。

関連記事>>>『危険!FXや仮想通貨を複数口座や他人名義で行う税金のリスクとは?』

暗号資産(仮想通貨)を贈与すると、した側とされた側も両方課税される?

以前より、新しく出て来た投資である暗号資産については、まだ法改正が追いついていないというお話を度々書かせていただいていますが、暗号資産の贈与についても、令和元年年12月のFAQの公表により明確になりました。

ポイントとしては先ほど書かせていただいたように、贈与税は基本的に贈与された側が税金を納めるものなのですが、このFAQの公表により、暗号資産を贈与した場合には、贈与した側にもいわゆる「贈与時のみなし譲渡」と呼ばれるものが適用されることで、所得税がかかることが明確になりました。

つまり、基本的に贈与した側は、贈与した日に売却したのと同じ扱いとなり、その時点の価格が購入時より値上がりしていた場合、その差額に対して所得税がかかり、贈与された側は贈与税がかかってしまうということになります。

暗号資産の贈与を具体的な数字で計算すると?

では実際にどんな感じになるのか、分かりやすくモデルケースを使って計算してみましょう。

例えば、1億円を贈与する場合に現金で贈与するのと、暗号資産で贈与するのとでは、納める税金にどのくらい違いが出てくるのかを見てみましょう(今回は所得控除等は考慮せず計算致します)。

1億円の現金を贈与した場合

1億円から基礎控除額を引いた課税価格に、贈与税の税率をかけて、控除額を引くと、贈与税が計算できますので、計算式はこうなります。

(10000万円 – 110万円) × 55% – 400万円=5039.5万

1億円の暗号資産を贈与した場合

100万円で取得した暗号資産が1億円になっていた時に贈与したと仮定します。

1億円から取得価額の100万円を引いた課税価格に、所得税の税率をかけて、控除額を引くと所得税の計算が出来ます。

(10000万円 – 100万円) × 55% – 479.6万円=4965.4万円

これに上記の贈与税がかかるため、合わせると「10004.9万円」となり、1億円以上の税金を払うことになってしまいます。

つまり、この場合だと暗号資産で贈与すると、1円も残らないという事になってしまうのです。

暗号資産(仮想通貨)を相続した場合の注意点とは?

次に、暗号資産を相続した場合の考え方ですが、基本的には被相続人(相続される人)が亡くなった日の価格で相続財産を評価することになります。

その他、相続の場合は以下のような部分にも気をつけないといけませんので注意しましょう。

被相続人が暗号資産を持っていたケースは?

相続人(相続する人)が、被相続人(相続される人)が暗号資産を持っていることを把握出来ていない場合でも、もちろん相続税がかかってきます。

国税庁が持っている暗号資産取引所の顧客リストなどがありますので、どこかの段階で指摘されたり、税務調査が入ることによって初めて分かる事も考えられるでしょう。

つまり、「知らない」からと言って税金がかからないわけではありませんので、なるべく事前に確認をとっておかれることをお勧めします。

秘密鍵(パスワード)が分からない暗号資産を相続した場合は?

暗号資産を相続したものの、その秘密鍵(パスワード)が全くわからず、それを現金化出来ないケースも考えられるでしょう。

これについても、「現金化出来ない」からといって税金がかからないわけではありません。

秘密鍵(パスワード)が分からないことに関しては、国税庁の見解が国会答弁で示されており、その内容は、

相続人が被相続人の設定したパスワードを知らない場合があっても、相続人が被相続人の保有した暗号資産を継承することとなるため、その暗号資産は相続税の課税対象になる。

というものです。

つまり、パスワードを知っているかどうかは、当事者にしか分からない主観の問題になってしまうため、税金を徴収する側としては、本当のことを言っているのかどうかの判断は困難です。

そのため、パスワードを知らないという主張を元に、相続税の課税対象にしないことは、課税の公平上問題があり、適当ではないというのが国税庁の見解です。

確かに「知らない」と主張することで相続税を払わなくていいのであれば、仮に知っていたとしても知らないと主張して税金逃れをしようとする人がたくさん出てくる可能性もあります。

なので、国税庁としてはこのような見解になるのは仕方がないと言えるでしょう。

まとめ

今回は、暗号資産を贈与したことにより、場合によっては贈与した額以上に税金がかかってしまう可能性があるとことについてお伝えしました。

そこまでではなくても、知らなかったがために損をする可能性が大いにあると言えるでしょう。

先に書いた国税庁の見解が出るまでもなく、税務上の暗号資産の贈与が「みなし譲渡」が適用されるのは十分あり得るという判断も出来ますので、贈与したことが裏目に出ないよう、税務の専門家の見解ではないネット上やセミナー等での不確かな情報を鵜呑みにしないよう、日頃から気をつける必要があるかと思います。

また相続の場合は、いざ相続するとなった時に困らないよう、暗号資産の有無や、暗号鍵の扱いについて、事前にしっかりと相談をしておかれることをお勧め致します。

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