暗号資産の確定申告

弊社はFXや株式など、投資に関する税務処理を専門にやらせて頂いておりますので、それらの申告実績に関して日本トップクラスかと自負しておりますが、ここ数年で、暗号資産(仮想通貨)の確定申告に関しても非常に多くのご依頼をいただき手がけてきました。

なので毎月の無料相談会やメール等での問い合わせでも、たくさんの質問が寄せられるのですが、よくあるケースとしてあるのが、自分で確定申告をしようとしたものの、実際には複雑すぎて断念してしまったという方が、かなり多くいらっしゃいます。

そんな、投資全般や暗号資産の申告実績が多くある弊社でも、実は暗号資産の確定申告ですんなりと何事も無く完了された方というのは、一人もいらっしゃらないのが現実です。

それほど暗号資産(仮想通貨)の確定申告は大変なのです。

ではなぜ、確定申告がすんなりと出来ないような状況に陥ってしまうのか、今回は、実際の現場において、よくあるトラブルについてご紹介してみたいと思いますので、確定申告に取りかかられる前に、ぜひ一度ご覧いただき活用していただければ幸いです。

 

仮想通貨の確定申告は収支の計算や集計する前が重要!?

暗号資産(仮想通貨)の申告における基本的な計算方法などは、過去にも当ブログに書かせていただいておりますが、実際に確定申告書を作成しようと思うと、実はその前段階の準備が非常に重要になってきます。

それらについて、順を追って見ていきましょう。

関連記事>>>『ビットコインなど仮想通貨の確定申告をする際の具体的な計算方法とは?』

年間取引報告書を使って暗号資産の確定申告をする場合は?

暗号資産交換業者から発行される『年間取引報告書(業者により多少名称が異なります)』を利用して申告される場合は、取引毎のデータ取得は不要ですので、ダウンロードした『年間取引報告書』にある内容を元に集計していくこととなります。

ちなみに国内の業者は、年間取引報告書の発行義務があるのですが、海外の業者の場合、そういった義務はありませんので、その場合はご自身で計算や集計を行うか、弊社のような専門会社に依頼して、計算・集計をしてもらう必要があります。

国税庁の計算書を利用する際の注意点とは?

上記の『年間取引報告書』の内容を元に計算するにあたって、2018年に国税庁がサイトで公開した『仮想通貨の計算書(エクセルシート)』というのがあるのですが、それを使って、「総平均法」という方法で計算する場合(詳しくは以下のリンクを参照)は、仮想通貨の種類ごとに記入する必要はありますが、空いているところに数字を入れていくだけですので、比較的簡単に集計が出来るかと思います。

ただポイントとしては、申告する年度よりも以前から、暗号資産取引を始められていて、前年の残高が不明な場合、この残高がわからないと計算が進められませんので、前年分を別途計算する必要が出てきますので注意しましょう。

また、申告年度から取引されている場合でも、「移動平均法」という方法を使って計算する場合、取引一つずつを記入・計算していくことになりますので、取引数が多くなってくると、非常に骨の折れる作業になるかと思います。

つまり、全てのケースでこの計算シートを使えるとは限りませんので、確定申告の締め切りまで余裕がある時期に、予め確認しておかれる方が良いでしょう。

尚、具体的な計算方法等については、こちらの記事にまとめてありますので、必要な方はご参照下さい。

関連記事>>>『ショック!暗号資産の確定申告は取引スタイルによってかなり変わる?』

取引毎のデータを元に暗号資産の確定申告をする場合は?

上記の『年間報告書』からではなく、取引毎の売買データを元に計算や集計を行う場合は、まず『取引報告書(業者によって多少名称が異なります)』のデータを取得するところから始めます。

暗号資産の確定申告で必要なデータとは?

まず結論から申しますと、確定申告するためには、暗号資産の取引に関するデータは基本的に「全て」必要になります。

例えば、利用している全ての暗号資産交換所の取引データや、利用している全てのウォレットデータが主なものになるでしょう。

他にICOに投資をされているようですとその情報も必要になります。

また、知らない間にエアドロップしたトークンが、気がついたら高値で取引されている事もありますので、注意が必要です。

取引データを取得する際に気を付けるべきポイントとは?

取引データの取得方法は、各暗号資産交換業者によって様々ですので、それぞれの業者に確認されるのが一番確実かと思いますが、当然、業者毎に取得する必要がありますので、利用している暗号資産交換業者が多ければ多いほど、取得するデータのファイル数も多くなり時間もかかります。

また、これは弊社のクライアント様で実際にあったケースですが、「データ取得の対象期間を同じにしているのに、ダウンロードの1回目と2回目で内容が異なる」ということがありました。

どうやらシステム上の問題で、現在は解消されているようですが、暗号資産はまだまだ発展途上ですので、こういったトラブルも全くないとは言い切れないのが実情です。

確定申告締め切りのギリギリになって、データが揃わないというのも大変ですので、出来れば時間に余裕のある時に、取引所のどこから取引データがダウンロード出来るのかなど、確認しておかれることをお勧めします。

業者によって項目名が違う?

ご自身で計算や集計を行う場合は、まずCSVファイルなどで取得したデータの内容を読み解くことになります。

ただこちらも注意しないといけないのが、取得方法と同様で、特に海外業者などはフォーマットや項目名も統一されていないことがあるため、どの列に何のデータが記載されているのかなど、しっかりと読み解く必要が出てきます。

全てのデータが漏れなく揃わないと確定申告はできない!

暗号資産の取引をされている方の大半が、複数の暗号資産交換所やウォレットを利用し、取引をされているため、それが増えれば増えるほど集計するのも煩雑になってくるわけですが、どこかで取引履歴が一つでも漏れていると、計算が合わないので申告することが出来ません。

これも弊社に依頼される方の中で非常によくあるケースですが、複数の暗号資産交換所やウォレットを利用していると、頻繁に使わない口座は失念されていることも実は多かったりします。

なので、日頃から利用されている(いた)業者については、箇条書きのメモでも良いので記録しておかれることで、確定申告の際に困らずに済むでしょう。

また、これも実際にあったケースですが、暗号資産交換所が閉鎖されてしまってログインが出来ず、データが取り出せなくなった事もありました。

データが出ない以上は対処のしようが無いのですけれども、かといって、その分を申告しなくても良いというわけではありませんので、注意が必要です。

暗号資産の時価の取得について

暗号資産は相場が乱高下しやすく、どの交換所のどの時点の時価を使うかによって、税金が大幅に変わってまうため、税務上問題のない時価のデータを取得することが非常に大事なポイントでもあり、また困難なところです。

現状、取得方法の基準がまだ確立されていませんが、国税庁の「仮想通貨に関する税務上の取り扱いについて(FAQ)」には、「例えば」という形で以下のように記載されています。

 

・仮想通貨を購入した際に利用した銀行口座の出金状況や、仮想通貨を売却した際に利用した銀行口座の入金状況から、仮想通貨の取得価額や売却価額を確認する。

・仮想通貨取引の履歴及び仮想通貨交換業者が公表する取引相場(注)を利用して、仮想通貨の取得価額や売却価額を確認する。
(注) 個人間取引の場合は、あなたが主として利用する仮想通貨交換業者の取引相場を利用してください。
確定申告書を提出した後に、正しい金額が判明した場合には、確定申告の内容の訂正(修正申告又は更正の請求)を行ってください。

なお、売却した仮想通貨の取得価額については、売却価額の5%相当額とすることが認められます。
例えば、ある仮想通貨を 500 万円で売却した場合において、その仮想通貨の取得価額を売却価額の5%相当額である 25 万円とすることが認められます。

要は自分にとって都合がいい(税金が安くなる)からといって、一番安い時価を探して計算するのは適切ではないということです。

税理士や会計事務所に委託する場合に起こり得るトラブルとは?

これまでお伝えしてきたように、暗号資産の確定申告は、非常に骨の折れる作業が必要になってくることから、確定申告の繁忙期に、これらを手作業で行うのは現実的ではありませんので、弊社では、専用の集計システムを活用して計算を行っています。

ただ、システムを使うにあたっても、いくつかトラブルの可能性や気を付けるべきポイントがありますのでご紹介しておきましょう。

使っている交換所が集計システムに対応しているか?

弊社が使用しているシステムの場合、基本的にデータを取り込むだけで計算するようになっているので、特に何もすることはありません。

ただ、過去に取引件数が膨大な方のデータを、そのシステムに取り込んだ際に、システムがダウンしてしまったことがありました(現在は100万件を超えても対応出来るように改善されています)。

このように、取引件数が膨大な方は、ご自身で計算されるのは、もはや不可能に近いかと思いますが、一つ気を付けておかないといけないのは、お使いの交換所が、その集計システムに対応しているかどうかです。

要は、先ほどお話ししたフォーマットが業者毎に異なることが主な原因なのですが、特に海外のマイナー業者など、全ての業者のデータが対応しているわけではありませんので、そこは事前に確認が必要でしょう。

もし対応していない場合は、依頼を受けてもらえないケースも多々ありますし、内容によっては、手作業での対応を検討してもらえることもあるでしょう(その場合、費用が別途かかる可能性があります)。

尚、最近では無料で計算してくれるシステムやアプリもあるようですが、その集計結果が正しいものかどうか断言しにくい場合もあるようですので、特に確定申告の際には充分に注意が必要です
(後に税務署から間違いを指摘されて、ペナルティがかかっても大変ですので…)。

また、ICO案件については、上場するまではデータ取得が出来ないため、こちらも場合によっては依頼を受けてもらえない場合もあります。

まとめ

これまで、株式投資やFXなどを行われていた方などで、暗号資産の確定申告も同じようなイメージで考えておられて、いざやろうとすると、非常に手間がかかることが分かり、そもそも確定申告以前の、データの集計や計算の時点で躓かれる方も非常に多く、泣きついてこられる方も実際に少なくありません。

ただ、弊社のような投資の税務における専門家でもそうですし、一般の税理士事務所においても、システムを使ったとしても実作業になりますので、申告期限ギリギリに依頼をして来られても、受けてもらえないこともありますし、受けてもらえたとしても、必ずしも申告期限内に間に合うとは限りませんので、その場合は延滞税などのペナルティーがかかってくる可能性もあります。

関連記事>>>『FXや仮想通貨の無申告や脱税などペナルティの種類と対応策について』

実際に弊社でも、システムにかけたところで、何らかのデータが揃っていなくて、そこからまた探していただいて時間がかかるというケースが非常に多くありますので、暗号資産の確定申告の際は、事前に余裕をもって、予めデータがちゃんとダウンロード出来るかなど、確認しておかれることをお勧め致します。

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