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2016年6月14日交付の「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」により、それまで100倍ほどのレバレッジが使えていた国内FXの法人口座が、平成29年2月後半より、変動制のレバレッジ規制がかかることになりました。

それを回避する方法として、前回『FX法人口座のレバレッジ規制を回避する方法と注意点』について、記事を書かせて頂きましたが、弊社でも、それに伴い海外業者へ法人口座を開かれたクライアント様がおられますので、その具体的な流れについて今回は解説いただきます。

 

なぜアキシオリー(AXIORY)を選んだのか?

今回の法人口座のレバレッジ規制だが、一般に「秒スキャ」などと言われる、損切りも2pips前後、利食いも数pipsで、数秒から数分しか保有しない私のような超短期売買のスキャルピングトレーダーにとっては、ハッキリ言って死活問題であるw

ただ、決まってしまったものは仕方がないので、対策を考えないといけなくなったわけだが、海外業者を選ぶ際の判断基準としては、

  • レバレッジ規制を受けない
  • スプレッドの狭さとスキャルピングOKか
  • 信託保全(もしくはそれに近いもの)
  • 入出金のしやすさ
  • 日本語サポート

ザッとこんなところであろうか。事前に各業者のホームページや、口コミや評判を元に絞り込み、実際に口座開設してみた。順に紹介していこう。

レバレッジ規制を受けない

今回は、レバレッジ規制を回避するために開設するのでこれは大前提である(個人口座でもこの場合レバレッジ規制はかからないが、それだと国内業者のように税率が20%にならないので、節税のため法人口座で申し込む。規制を回避できても税金で持っていかれては意味がない……)。

中には888倍なんていうのもあるが、個人的には100倍あれば、口座資金とほぼ同じロット数をはれるので、それ以上あれば問題ない(それ以上あっても1回の損失額が増えてしまうので結局は使わない)

なのでいわゆる、日本の金融庁に登録のある業者や、日本人の口座開設を受け入れていない業者は、今回は最初から当然省いた(これに関しては、海外法人を作ることで回避もできるようだが、非常に手間やコストがかかるのと、税金のことなども考えると、あまり意味はないようなので、こちらも今回は選択肢から除いた)。

スプレッドの狭さとスキャルピングOKか

利益目標が数十pipsや100pips以上のスイングトレーダーにとっては、今回の法人口座のレバレッジ規制はあまり関係のない話かも知れないが、数pipsを獲っていくスキャルパーにとっては、資金効率を考えると、このスプレッドというのは非常に重要である。

現在、日本においてはドル円で0.3pips前後のスプレッドの業者も多いが、基本的に相対取引であるため、スリッページやストップ狩り?のような印象を受けることもあり、また最大の問題である、スキャルピング禁止を謳っている業者も多いので、口座凍結の恐れもある(ヒロセ通商のLION FXやJFXなど、スキャルピングOKと言っている業者もあるが、実際に使ってみると滑りや約定拒否も多く、使い物にならない業者も中にはある。相対業者なので仕方がないのだが……)。

ちなみに今回選んだ内の一つであるAXIORYの場合、NDD方式(相対業者のようにディーリングデスクを挟まない)、要はノミ行為を行っていないので、顧客に売買してもらえればもらえるほど、業者も儲かる仕組みである。つまり、正式に公言しているが、本当の意味でスキャルピング歓迎で、口座凍結を恐れる必要は無い。

スプレッドに関しては、比較的広い「スタンダード口座」と、スプレッドは0からだが、1ロット取引あたり3ドルの手数料がかかる「ナノスプレッド口座」という2種類の口座がある(ちなみにAXIORYの場合、1ロットは1万ではなく10万通貨単位なので念のためご注意を)。

実際の使用感は後ほどお伝えするとして、興味のある方は業者のサイトにいくと、トップページの下の方に、リアルタイムのスプレッドが表示されているのでこれを参考にすることも出来る。

ちなみに、これを書いている今日現在、ナノ口座の1ロット(10万通貨)に換算すると手数料は、678円である。ここで疑問を持たれる方がいらっしゃるかも知れないが、注意しないといけないのは、先ほど書いた1ロット取引あたり3ドルの手数料というのは「片道」である!(事前にいくつかのサイトを確認したが、これを勘違いしているところが非常に多かった!)

つまり、売買を完結させるためには、往復で6ドルの手数料が必要になるので、特に短期売買の方は気を付けていただきたい。

つまり、仮にスプレッドが0の時に売買したとしても、レートによって異なるが、約0.6pipsのスプレッドが発生しているのと同じことになる。

その計算を元に考えた結果、スタンダード口座よりもナノスプレッド口座の方が有利だと考え、私はそちらにした。

信託保全(もしくはそれに近いもの)

日本国内のFX業者では信託保全は当たり前だが、海外業者では条件ではないため、ないところも多いが、AXIORYの場合、「Sparkasse bank」に信託保全されているとのこと。その他、PricewaterhouseCoopers(PwC)という第三者監査機構も入っているようで、この辺はかなりしっかりしている模様。

入出金のしやすさ

入金に関しては、基本的にクレジットカードから入金が出来るので、私はマイページにログインしてからそれで行った。銀行振り込みの場合は、国内の三井住友銀行の指定口座へ振り込むことで、入金も出来るらしい(私はまだ使っていない)。

ちなみに出金はまだしていないが、これについてはアキシオリー自身も短いスパンで行うことにこだわりがあるらしく、申請から遅くとも翌営業日には処理するとのこと(ただしクレジットカードやデビットカードでの入金の場合、入金額と同額まではそのキャンセルによる返金だが、残りは法人名義の銀行口座への入金)。

日本語サポート

ハッキリ言ってこれがないと私の場合はかなりハードルが高いw。事実、海外口座を開くのは今回が初めてではなく、かなり以前に、CMSという海外FX業者の法人口座を開いたのだが、日本語サポートはあったものの、書類も複雑でかなり苦労したことを覚えている。

AXIORYの法人口座の場合、担当のコンシェルジュがつくと書かれているが、開設前から日本語でメールを送っても、きちんと日本人から回答が送られてきており、国内業者と比べて全く遜色なかった(むしろ、夜遅くでも返信があったりと国内業者よりもレスポンスは早い印象)。ちなみにホームページに日本語チャットもあるが、記録が残った方が良いので私はメールしか使っていない。

具体的なの口座開設の流れ

これについては、アキシオリーのサイトにある「サービスのご案内」にある「法人口座の開設」というページから、フォームに入力していくことになるので、日本FX会計さんに教えてもらった「法人口座開設で否認されにくいポイント」を元に入力していった(自分の場合、自然とそれに当たるのだが……w)。

ただ、ここで一つトラブルが!このフォーム、内容は入力するところがあるのだが、必要書類を送信する項目がない。よって、連絡が来るのを待っていたのだが、いつまで経っても来ないので確認してみたところ、メールに添付して送って下さいとのこと。

なので、ここで待っていてはいつまで経っても口座は開設できないw

必要書類は、サイトを見ると「法人確認書類」と「法人現住所確認書類」、取締役全員の「取締役本人確認書類」、あと「取締役現住所確認書類」、それぞれ各1通ずつ必要になると書かれてあったが、具体的に分かりづらかったので、日本語カスタマーセンターにメールで問い合わせをしてみた。返って来た内容は以下の通り。

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法人確認書類 1点
法人様の正式名称、現住所(登記住所)が記載された、公的機関が6ヶ月以内に発行した書類

日本法人の場合 、

  1. 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)のコピー
  2. 設立定款のコピー(承認済みのもの)

法人住所確認書類 1点
法人様の現住所が記載された、第三者が6ヶ月以内に発行した書類

  1. 公共料金の明細書・請求書
  2. 銀行利用明細書(バンクリファレンスレターでも代用可能)
  3. 印鑑登録証明書(日本法人のみ)

取締役様本人性確認書類 1点
全取締役様のお客様の氏名、生年月日、写真が記載された公的機関が発行した書類

  1. 自動車運転免許証
  2. パスポート
  3. 外国人登録証・各種ビザ 等

取締役様現住所確認書類
全取締役様の現住所が記載された、第三者が6ヶ月以内に発行した書類

  1. 公共料金の明細書・請求書
  2. 銀行利用明細書(バンクリファレンスレターでも代用可能)
  3. 印鑑登録証明書、住民票(日本人のみ)など

取締役決定書
「取締役決定書」(Resolutions of Meetings of the Board of Directors)に取締役様(場合によっては、ファンド運用者様)全員の署名、日付の記載を行い、ご提出ください。

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要するに、GMOクリック証券や、外為どっとコムなど、日本のFX業者の法人口座開設とさほど変わりはなく、

  • 履歴事項全部証明書
  • 法人住所が記載さた公共料金の請求書
  • 個人の証明書として運転免許証

をスキャナーで読み取って、指定のページからアップロードしたが、エラーで見られないとのことだったので、ストレージにアップして、メールでデータ送信した(なので、わざわざコピーをとらなくても書類は手元に残るので、複数の業者で法人口座を開設する場合、全部証明書などは他社の開設にそのまま使えるw)。

あと「取締役決定書」というのは、テンプレートがあるので、それをプリントアウトしたものの窓空き部分を手書きで埋めて、それを再度スキャンするか、写メで撮ったデータを送る形で問題ない(ただ、書類は英語だったのでGoogle翻訳を使って記入したが、間違えたのでそこは日本人向けの記入例があると更に助かる……)

国内FX業者の場合は基本的に書類は郵送のため、2週間ほどかかる場合が多いが、データ送信だということもあってか、全て書類がOKになった翌日には、IDとパスワードが送られてきた。

実際にトレードした感想と注意すべきこと

まず取引システムだが、ここはMetaTrader4(メタトレーダー4)が使える。cTraderというチャートソフトもあるが、一応、日本語対応しているものの、やはり使い慣れたシステムの方が良いので、私はMT4にした(ちなみに口座開設時に、口座タイプと同じく、どちらのシステムを使うのかを選択する必要があるが、後にログインしてからマイページで申請すれば、両方のプラットホームを使えるようになるので問題はない)。

国内業者を使っていた時には、MT4でチャート分析をして、それぞれの業者のシステムで売買していたのもあり、実際のレートは取引する業者のチャートを見る必要があったが、メタトレーダーのみでいけるので便利は良い(ちなみに私は基本的にエントリーも決済も成り行き)。

また実際に使ってみるまでは、やはり1ロットあたり片道3ドルの手数料は、スキャルピングには痛いなと思っていたが、まず驚いたのはその約定力の速さである。ここには力を入れているらしく、最近、アジアの中継基地を設けたらしいが、かなり速い!国内業者で滑っていたことを考えると、個人的に手数料分はほとんど気にならない(つまり、国内のドル円スプレッド0.3pipsの業者であっても、実際には0.3pips近く滑っていたということか……)。

0スプレッドになっている時間帯も多く、拡がっても通常は0.2pips前後なので、スプレッドと手数料をトータルして1pipsぐらいだと考えておけば良いだろう。

あと注意点としては、日本の業者は基本的にドル円のスプレッドが一番狭いが、ここは現在ユーロドルの方が狭い。世界標準なので当然と言えば当然なのだが、スキャルパーなど、1ポイントでも狭くと気にされる方は事前にご確認を(なので私はドル円からユーロドルに鞍替えしたw)。

メールをしても、日本人から早ければ当日、遅くでも翌営業日には返って来ているので、その辺も日本の業者とあまり変わりはない。

個人的には今のところ、メイン口座にしている。

※海外業者でのFXの運用は自己責任にてお願い致します。

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(2017.2.3)

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