この記事を書いている人
税理士 堀 龍市
投資専門会計株式会社 代表取締役
税理士(近畿税理士会所属 登録番号092469番)
FXや仮想通貨、株式やバイナリーオプション等、投資の税金対策や法人化に精通。
有名トレーダーをはじめ全国の投資家らの税務顧問を多数担当し、専門誌での連載などメディア実績多数。
業務にはオンラインも活用し、北は北海道から南は沖縄の離島までクライアント実績を持つ。
国内のFX業者としては非常に有名な『GMOクリック証券』ですが、事実、弊社のクライアント様の中でも使われている方が非常に多い業者です。
なので、これから法人化をされ、法人口座でFXを始められるお客様からも、無料相談会等でよく「勝ち組で使われている方は多いですか?」などと聞かれます。
そこで今回は弊社クライアントの法人トレーダーさんに、実際にGMOクリック証券の法人口座についてレビューをお願いしました。以下にそれをご紹介します。
GMOクリック証券の評判は?
テレビCMでもおなじみのGMOクリック証券さんだが、実際に私の周りにもここをメイン口座にしている人達がたくさんいる。
彼らがメインで使っている具体的な理由は後で述べるとして、一般的に公表されている強みとしては、当然の手数料無料などの他に、
- FX取引高5年連続世界第一位
- FX預かり資金国内第一位(2014年7月〜2015年12月)
- 原則固定の業界最小水準スプレッド(ドル円0.3銭)
などがあげられるが、これらは公式ページや他の紹介サイト等にも記載されていることなので、これぐらいにしておいて、実際のトレーダー視点の使い勝手やメリットは後述していく。
個人的にわけあって、現在はここの個人口座しか持っていなかったので、今回新たに法人口座を開設することにした次第である。
GMOクリック証券の法人口座開設の流れについて
さて、実際に法人口座を開いていく手順を書いていこう。
法人口座の場合はどこも申し込み書類に自筆での記載や捺印が必要になることが多く、サイトから書類をダウンロードして、プリントアウトする業者もあるが、GMOクリック証券の場合は、サイトの『法人用口座お申し込み』ページで必要事項を入力すると、数日後に郵送で申込書類が送られて来る。
ちなみに私の場合、会社の代表者が取引をすることになるので問題ないが、他に取引責任者がいる場合は、その人の情報や身分証も必要になるので事前に準備をしておくと良いだろう。
書類が届いたら、
- 法人口座開設申込書
- 外国為替証拠金取引口座設定約諾書 兼 確認書(法人用)
に必要事項を記載し、「取引責任者の本人確認書類」として、どれも有効期限内の
- 運転免許証のコピー
- 印鑑証明書(原本)
- 住民票の写し(原本)
- 住民基本台帳カードのコピー
- 健康保険証のコピー
- パスポート
- 個人番号カード
の中から一つと、あと法人の場合はそれに加えて、法人用の確認書類としては、
- 登記簿謄本(登記事項全部証明書の原本)
- 印鑑証明書(原本)
の二つ(両方)を送る必要があるが、気を付けるべきは、どちらも発行から6ヶ月以内のものでないといけないので注意が必要である。
突然電話がかかってきた!?
上記を郵送してから数日後、日中に、記載した会社の代表番号に電話がかかってきた。GMOクリック証券の担当者からである。聞かれたことは二つ。
- 法人代表者本人かどうか
- 資本金の額について
である。実際に存在しているかの確認もあるのかも知れないが、全ての方にかかってくるのかどうかは不明である。
ちなみに資本金の最低金額等については特に記載がなかったが、確認されたということは、もしかしたら内部的な設定がある可能性もあるので、そこそこ(7桁ぐらい?)はあった方が審査上は無難なのかも知れない。
ほんの数分の電話であったが、それが終わった後、数日後に郵送でIDとパスワードが記載された「口座開設手続き完了のご案内」という郵送物が、簡易書留郵便で送られて来て、そこから取引開始となる。
入出金が少し特殊?
GMOクリック証券の特徴として、FX(FXneo)の他にも株式や投信、先物やオプション、CFDや債券なども取り扱っており、同一アカウントで全て取引可能なのであるが、だからこそ注意が必要なのが、FXを行うのであれば、FXネオの取引口座に入金(振替)する必要があるということ。
分かりやすく言うと、アカウントは同じでも、取引口座はそれぞれに異なるので、例えばCFDの口座に入金されていても、FXを取引することは出来ない。
ちなみにアカウント内での資金の振り替えはもちろんすぐに行えるので、もし間違えて違う口座に入れてしまっても特に問題はない。
尚、少し余談になるが、これはGMOクリック証券に限らず、法人口座で取引するにあたって周りでもよく話題になるのが、どこの銀行に法人口座を開くかである。
新規で開設する場合、有名な都市銀行などは、それまでの実績がないと年々審査が厳しくなってきているような話も聞くが、個人的には FXの場合、大手かどうか、有名かどうかより、その業者のクイック入金に対応しているかの方が重要だと考えているので、もしメガバンクでの開設が難しい場合は「ネットバンク」か、最近では「セブン銀行」や「イオン銀行」などが対応している業者も増えてきているので(GMOクリック証券も可能)、それらを使う方が効率は良い。
ちなみに私の場合だと、U●J銀行の法人口座もあるのだが、ここは法人だとネットバンキングを使うのに別途料金がかかるので、ジャパンネット銀行を使っている(笑)。
関連記事>>>『FX法人化の必要書類と会社設立の全手順、注意点を専門家が解説!』
GMOクリック証券のトレード環境は?
さて、実際にトレードする場合、ツールの使い勝手や条件というのは非常に重要になってくるわけだが、私の場合、基本的にスキャルピングからデイトレード(極々たまに数日間、保有することもあるが)という短期売買なので、スプレッドが狭いことは非常に重要である。
スプレッド一覧表
実際にスプレッドを確認してみると
ドル円が0.3pips、ユーロ円が0.5pipsと、非常に狭いので重宝する。あとはそれが思ったレートで約定するかどうかである。
実際のスリッページと約定能力は?
国内業者だと、他にも狭いスプレッドの業者はいくつかあるが、重要なのは実際に使ってみての約定能力である。
これは法人口座に限らず個人口座でもそうだが、GMOクリック証券の約定力というのは非常に高い。特に次章で紹介する「Exモード」は個人的には最高レベルのように感じる。ストレスはほとんどない。
他にもマネー●ート●ーズなど、約定力を売りにしている業者もあるが、基本的にそれらと遜色ない上に、スプレッドはこちらの方が狭いので、私の他にも周りのトレーダー仲間で、ここをメイン口座として使っている人は多い。
ただしEXモードとの兼ね合いに注意が必要!
GMOクリック証券には「Exモード」というのがある。簡単に言うと大口モードで、通常は1回あたり100万通貨単位が取引上限なのだが、Exモードを使うと1回で500万通貨単位まで取引が可能である。
EXモードが表示されない時の対処法
尚、デフォルトではExモードが使えなくなっていたので、その場合は、パソコンでログインしてから「FXneo」の設定画面にある「Exモードを利用する」にチェックを入れて適用すると、注文画面にExモードのチェックボックスが表示されるようになる(『はっちゅう君FXPlus』を使う場合は、別途そちらの「オプション/設定画面/Exモード」から設定が必要)。
こちらは約定力も通常の6倍とのことで、使ってみた感じでも確かに約定しやすいのであるが、このモードが登場した当初、仲間のスキャルパーからは大きいロットを入れたい場合、通常モードでの連射が出来なくなったとの声をよく聞いた。
私は普段、連続しての分割エントリーはしないのだが、特に入れるロットが大きくなってくるとその傾向が強いようだ。
ならば、Exモードで一度に大きいロットをエントリーすれば良いじゃないかという話だが、実はExモードは通常モードとはレートとスプレッドが異なる。
先ほどドル円で0.3pipsぐらいと書いたが、Exモードにすると0.7pipsになってしまう……。
なので、大口且つ、そこそこの値幅を狙う場合はExモードの方がレートは有利になるかも知れないが、値幅が狭い場合は不利になると言えるだろう。
ただ、実際に使った感じとしては、どうしても同値で建てたい時の強烈連射というほとでなければ、そこそこのスピードでは問題なく連続エントリーできたので、ほとんどの方は問題ないと思われる。
あと私は指標トレードはしないので、これらはあくまで平常時での使い勝手であり、例えば重要指標の発表時に飛び乗った場合などのスリッページや約定力は参考にならないかも知れない。
プラチナチャートは使いづらい?
GMOクリック証券には、通常のシンプルなチャートの他に、「プラチナチャート」というものが実装されているが、実際に使ってみた感覚では、複数通貨を見る分には少し重く、スキャルをする時などはレートと少し遅れるような気もする(ほんの少しの感覚的なものなので、普通に取引される分には問題ないだろう)。
私は基本的に移動平均線ぐらいしかインジケーターは使わないので負荷は少ない方だと思うが、チャート分析はメタトレーダーを使用し、売買のみ「はっちゅう君FXPlus」で行うスタイルの方がやりやすかった。
これはパソコンのスペックにもよると思うので、デモトレード等で実際に試された方が良いだろう。
ちなみにこの「はっちゅう君」シリーズは、以前から使いやすく、他の業者も似たようなツールを作ってくるなど、一度慣れるとなかなか手放せないものであるが、GMOクリック証券の特筆すべきは、やはりツールが使いやすいということ。特に
- はっちゅう君Plus
- iClickFXneoPlus
は秀逸で、私はiPhoneユーザーなので、スマホで取引する時には「iClickFXneoPlus」なのだが、チャートを横画面にすれば非常に見やすく、ゲームのコントローラー感覚で取引できるので短期売買でもやれてしまう。
携帯でスキャルなんて数年前では考えられなかったことだが、実際に使った感覚だと、スマホの方がスムーズに約定しているような気さえする(笑)。
GMOクリック証券での法人口座のレバレッジと確認方法
法人口座のメリットとして、個人のレバレッジ規制を回避できるということがあげられるが、それでも2016年からは、それまで100倍以上固定で取引できていたのが、毎週金融庁から証拠金率が発表され、固定レバレッジではなく変動式となった。
(※ただし今でも400倍などの高レバレッジで取引する方法はあります)
関連記事>>>『FX法人口座のレバレッジ規制を回避する方法とその注意点とは?』
法人口座のレバレッジを確認する方法
法人口座のレバレッジだが、ログインした後、上部メニューの「FXneo」にカーソルを合わせると「余力・スワップ」というメニューが出てくるので、ここをクリックすると、下部に「取引あたりの証拠金、スワップポイント」という一覧表が表示される。
見方としては、この場合だとドル円を1ロット買うのに16,860円必要になるということなので、そこからレバレッジ率が計算できるわけだが(大体50倍前後のことが多い)、
数字を計算したところであまり意味はなく(笑)、むしろ実際にどれだけのトレードができるのかが分かる方が役に立つわけで、GMOクリック証券ではそれらを半自動的に表示してくれるページがあるので、それを使った方が便利である。
ここの口座区分で「法人口座」にチェックを入れて数字を入力すると、実際に取引できるロット数やロスカット値も表示されるので非常に使い勝手が良い。
レバレッジが同じならどこの業者でも同じではない!
これに触れている人やサイトはあまり見かけないのだが、実際にトレードをする時にチェックすべきこととして、この法人口座のレバレッジは、金融庁が発表しているのでもちろんどの業者でもほぼ同じなのだが(DMM.com証券など、法人でも個人と同じレバレッジの業者は除く)、だからといって実際に取引する場合、どの業者も同じ条件だとは限らない。
レバレッジと同時に確認しないといけないのは「ロスカット比率」である。
GMOクリック証券の場合、証拠金維持率が50%を下回るとロスカットになるわけだが、例えばこちらも大手の『外為●っとコム』などは、100%を切った時点でロスカットになる。
つまりレバレッジは同じでも、ロスカットされるレートは業者によって全く違うわけである。
ちなみに50%というのは国内業者では低い方なので、これも実際に取引しているトレーダーの間でよく使われているという理由の一つでもある。
スキャルピングは禁止?口座凍結される?
これは短期売買をする人にとっては非常に気になるところだろうが、以前、友人がGMOクリック証券に直接問い合わせたところによると
「自動売買ツールを使った取引は禁止しているが、スキャルピングについては特に禁止していない」
とのこと。ただ、約款には
第 34 条(本サービスの利用の制限)
(11)短時間または頻繁に行われる注文または取引であって、当社のシステムまたは他のお客様もしくは当社がお客様に提供する商品に対する当社が行なうリスクヘッジのための取引に影響を及ぼすと当社が判断した場合。
と一応記載があるので、よほど無茶なことをしなければ大丈夫、これが表向きの見解であろう。
だが実際には、スキャルをやって凍結された人は私の周りにも……いる(笑)。
もちろんスキャルピングにも色々あるわけで、彼は数秒〜1分単位で売買するようなスタイルだったのだが、全体的なことからいうと、JFXやセントラル短資など「スキャルOK」を公言している業者を除いた他社と比べると、その判断は割とゆるい(他社では凍結されたがGMOクリック証券ではまだ大丈夫だという人も結構いる)。
これはNDD方式でない業者の場合は、やはり仕方がないわけだが、私の周りの状況でいうと、無茶をしなければ比較的大丈夫だと言えよう。
GMOクリック証券の特筆すべきメリット
最後に、実際に使ってみるメリットについて書いておこう。
周りでも、ここをメイン口座として使っている法人トレーダーが多いと書いたが、だからこその情報としては、GMOクリック証券は個別にオファーを送ってくる(他社でもあるのかも知れないが、大口はここをメインで使っている人が多いので、私のところにもよく情報が入ってくるのである)。
具体的に言うと、通常、建玉上限は各通貨ペアで5000万通貨なのだが、冒頭でわざわざ一般的な強みとして書いた「FX取引高5年連続世界第一位」を他社と競っているからなのか、ロットの限界に近づいてくると
「お客様の上限ロットを上げさせて頂きました」
と、個別にメールで連絡が来るのである。
私はここの法人口座は元々使っていなかったので、まだそんな連絡は届いていないが(笑)、友人は実際にそれを超えて取引をしている。
なのでこれから法人口座を開設して、有利にガンガンFXをやっていこうという人にとっては、非常にメリットの多い業者だと言えるだろう。
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