以前の記事で、FXの脱税事件について週間SPA!さんから、FXの税金に関する第一人者として取材をいただいたと書かせて頂きましたが、その脱税事件の取引手法も、恐らくアービトラージを使ったシステムトレード(自動売買)ということでした。

FX脱税や確定申告しなかった場合のリスクや破産した結果の内容は、以下の関連記事にまとめていますので、そちらをお読み頂ければと思うのですが、この脱税記事のケースでも、他人名義の口座も含めて複数口座を使った売買を行い、巨額の利益を得ていたようですが、実はそれらは口座凍結は元より、税金の面を考えても非常にリスクの高い行為ですので、今回はそれらについて解説していきます。

関連記事:FXは確定申告をしないと脱税?実際にあった破産体験談とは?

 

FXを複数口座で売買するリスクとは?

トレーダーさんの中には、複数のFX業者に口座開設をして、トレード手法によって使い分けられている方や、法人口座と個人口座で使い分けていらっしゃる方など、色んな方がおられます。

弊社へ毎月送られて来るクライアントさんからの月次報告書なども、複数のFX業者の資料がありますし、それはそれでメリットのあることでしょう。但し、世間ではあまり知られていませんが、実は使い方によってはリスクもある行為ですので、以下にご紹介していきます。

スキャルピングなどで口座凍結された場合

非常に短いスパンで売買を繰り返すスキャルピングなどのトレードを行われている方の中には、もし口座凍結された時のリスク回避として、複数のFX業者で口座を開かれている方もおられます。それはそれで一つの方法なのですが、よくあるケースとしては、例えば法人口座でスキャルピングをしていて業者に口座凍結されてしまった場合、同じく個人口座も一緒に凍結されることがあります。

またこれは稀ですが、同一住所で家族が口座開設していた場合(なので名義は異なります)、その家族の分も口座凍結されてしまったというケースも実際にあります。

なので、別居の親族名義で口座開設をとおっしゃる方もおられるのですが、実はそこにもより大きなリスクが発生する可能性があります。

なぜ他人名義の口座が必要なのか?

先ほど雑誌が発売された前後、たまたまでしょうか、それとも流行っていたのか、

「他人名義の口座を複数使って取引をしたい(してる)んですが、節税をお願いできますか」

とのお問い合わせや申込依頼を複数頂きました。結論から申しますと全てお断りをさせて頂いたのですが、そもそも

「なぜ他人の口座を使って取引をするの?」

と思われた方も多いと思います。考えられるパターンを解説していきましょう。

口座凍結を恐れてリスク回避として

一つの理由は先ほどご紹介した、口座凍結された時のリスク回避があげられるでしょう。但し、これは頻繁にスキャルピングをして、業者に弊害が及んだ時のことで、最初から他人名義の口座をたくさん準備される方は少ないでしょう。では他にはどういった理由があるのでしょうか?

業者間アービトラージを行うための複数口座として

先の雑誌の例で述べますと、要は業者間アービトラージという手法を行いたいというケースです。業者間アービトラージというのは、簡単に言うと、FX業者毎の少しのレートのズレを利用した取引のことですが、ただ、業者によってはそれが出来るかどうか、開設してみないと分からない。

また出来たとしても、暫くして出来なくなる可能性もあるし、もしくは口座凍結されてしまう恐れがあるので、最初からたくさんの予備口座を複数持っておきたいという理由のようです。

FX業者の最大ロット数を回避するため

先ほどの雑誌の例では、億単位の利益をあげておられましたが、アービトラージに関わらず、取引量が増えてくると、各業者には1回にに取引できるロットの上限があるため、特に短期売買だとスプレッドの関係で同時に複数エントリーできず、同一の業者で多額の取引を行うには、複数の口座が必要になるということでした。

FXでのアービトラージを行った場合、口座凍結以外のリスクとは?

先に申しておきますと、弊社は会計会社(税理士事務所)であり、法律事務所ではありませんので、業者間アービトラージが良いか悪いかを判断する立場にはありませんし、ここで非難をするつもりもありません(その辺りは弁護士さん等にご相談下さい)。

あくまで法律事務所ではない前提でお話をさせて頂きますと、まず、口座開設の際に皆さん、約款に同意されているかと思います。そこには

他人名義の口座を使ってはならない

とは直接書かれていないとしても、例えば

「一人につき開設できる口座は一つ」だとか「名義に関わらず、一人につき使用できる口座は一つまで」

等、それに類似する規約がどこの業者にも恐らく記載されています。ということは、その約款に抵触している可能性が出てくると考えられるでしょう。

ちなみに、その件で業者から裁判でも起こされない限り、まず指摘されるのは税務調査の時でしょうが(その時点では税務上の問題として)、ただ、税務署や調査官にとっては税務以外のことは関係ありません(というか知りません……)ので、その辺りの法律に関することは、もし追徴課税を受け入れなかった先の話になることが考えられます。

なので、まず指摘されるであろう税務上のリスクを考えてみますと、以前のメルマガでも何度かお話させて頂いていますが、税務調査官はより効率よく、より多くの税金を徴収しようとしてきますので、調査官に指摘を受ける前にどのような申告をしていたかにもよりますが、場合によっては、各証券会社の口座でのFXの利益は、それぞれの名義人の所得として所得税が課税され、尚かつ、それぞれの名義人からご自身への資金の移動は贈与とみなされ贈与税が課税されるといったことが考えられます。

(ちなみに過去に立ち合わせていただいたFXの調査でも、調査官が都合の良いように解釈を押しつけて、より多くの税金を徴収しようとしてきた事は幾度となくあります。もちろん、弊社が契約させていただいているクライアントさんで、合法的に取引をされている場合は、プライドにかけてそのような調査はさせません)

その他にも幾つかのケースが考えられますが、他人名義の口座を使うこと自体、リスクが大きいことをある程度ご理解いただけたかと思います。実際にはもっと複雑で難しい法律のお話等も絡んでまいりますので割愛させて頂きますけれど、逆に言うと、もし税理士や会計士さんに依頼をされて

「他人名義の口座を利用していてもお引き受けしますよ。」

という専門家さんがもしいらっしゃったら、その辺りを理解されていない(つまり税務調査が入っても対処できない)ということですので、お客様にとっても非常に危険だと言わざるを得ないと思います。

ちなみに税務調査が入ってから、

「今の税理士さんでは頼りないので、御社へお願いしたいのですが……」

とご連絡をいただく事がたまにありますが、調査が入ってから税理士が替わりますと、税務署が警戒し、逆にお客様側のデメリットが増える可能性もありますので、そのタイミングではお受けしておりません(調査前か、調査後、次の調査に向けては可能です)予めご了承下さい。

弊社では、最初に申し上げましたように、ご本人様以外の名義の証券口座を利用してのFX取引はお勧めしておりませんが、例えば所得を分散して節税をしたいといった目的の場合は、以下の関連記事にまとめていますのでこちらもご参照下さい。

関連記事:「専門税理士が教えるFX法人でよくある失敗と具体的な解決法とは?」

(2012.5.10)

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